『精神医療の特異な論理』絶賛販売中
書籍委員会委員長 塩満 卓
公然の秘密、バラシちゃいました。何をって? それはね、日本の精神医療が酷すぎるってこと。精神医療のユーザーや精神医療福祉の専門家がうすうす感じていた「おかしいなぁ?」をいろいろな切口から論証した本が出ちゃったのです。本のタイトルも『精神医療の特異な論理』。「特異な論理」って、言い換えれば、「おかしな理屈」てこと。
出版を企画したのは、精神医療国家賠償請求訴訟研究会。これもまた、漢字15文字の難しそうな団体。分解すると、「精神医療」「国家賠償請求訴訟」、「研究会」。精神医療は、一般医療との違いで言えば、強制入院の仕組みをもっているんだ。でも、治療薬の開発や人権の観点から、諸外国では、強制入院を極力減らし、期間を限定的にしているのよね。
次の国家賠償請求訴訟は、「国家賠償法」という僅か6条で構成されている法律の第一条に基づいて行なう訴えのこと。訴えとは、国や大臣による不作為(しなければならないことを放ったらかしにしていた)がある場合、その責任を問い賠償請求の裁判を起こすことなんだ。伊藤裁判は、日本が隔離収容政策を続けていたから、長期入院となったことを訴えた。つまり、法律を作る国会(立法府)と地域精神医療システム(厚生労働大臣)の不作為を問うた裁判だったの。
東京地裁判決は、あろうことか精神病者は入院するのが「公知の事実」とまで言い切った。「公知の事実」って、「社会の常識」に意味が近い。弁護団が作成し提出した準備書面(国会審議の議事録や法改正の審議録等)の「社会の常識」は、隔離収容から地域精神医療へと政策を変えることなんだ。国や厚生労働大臣が放ったらかしにしていたから、日本の精神病床は、長期入院患者で占められている。これが精神医療福祉の専門家の「公知の事実」。
『精神医療の特異な論理』は、日本の精神医療制度の歴史、国際比較、人権思想、裁判の意義、の観点から18名の執筆陣の論考がてんこ盛り。うすうす「おかしいなぁ?」を感じている精神医療福祉専門家や精神医療ユーザーの皆さん、買わなきゃ。
精神医療の特異な論理
出版社 : 批評社 (2026/1/13) 発売日 : 2026/1/13
言語 : 日本語 単行本 : 288ページ
ISBN-13 : 978-4826507509
寸法 : A5判並製 定価:3300円(税込)



























