Re: 厚労省の検討会の議事録より
村田さんに
東谷 幸政
貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
鹿児島県の病院に入院している、原告希望者からは、頻繁に電話がかかってきます。郵便物を看護者の目前で開封させられたことにより、原告になろうとしていることを、病院に知られてしまいました。
それ以来、様々な嫌がらせや圧力を受けています。それに耐えかねて、一時は原告から降りますと、言われた時期も有りました。彼が原告として存在するためには、彼を圧力から守り、保護しなくてはなりません。しかし、病院に囲われていては、保護は困難です。退院を促進して、原告でいても不当な迫害がかけられることがないように支援することが、本質的な原告保護です。私たちが、その意義について、時間をかけすぎた議論をしていては、彼は守れません。至急に、現地に支援のシステムを作り、退院を実現しなければ、私たちは、貴重な原告を失います。こちらの万全な支援体制や研究会内部の意見の完全な一致を待たなければ、支援に動けないのであれば、現実には対応出来ません。正論、基本原則と現実対応の必要性との間で微妙な梶とりが必要です。
医療保護入院をめぐる議論は、私たちの会でも積み上げて来ました。韓国の憲法裁判所は、我が国の医療保護入院と同じ構造をもつ韓国の強制入院制度が、違憲である可能性が高いとして、立法府に差し戻す判決を、今年、下しました。
それらの動向を参考にしながら、理論面の構造を強化しています。
四月例会の最後に、専門部会の陽和病院社会療法部長の熊谷彰人さんが顔を出されて、皆さまにご紹介することが出来ました。彼は、1995年に、私が精神国賠をやろうと言い出した時に、それを押さえ込んだ人です。この会を立ち上げる時も、制度の根本的な改革の方法論をめぐり、半年間論争しました。今でも、意見の相違はありますが、小異を捨てて強力してくれています。人として素晴らしい人物です。