上毛新聞
上毛新聞に2020年10月2日掲載されました。記事を引用します。
40年間入院「強制で違憲」 太田の元患者男性が国を提訴
精神科病院に約40年間入院を余儀なくされていた群馬県太田市の男性(69)が1日までに、「入院は実質的に強制で、憲法が定める幸福追求権や法の下の平等に反する」として、国に慰謝料など3300万円の賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。原告側によると、精神科病院の長期入院について国の責任を問う訴訟は初めて。男性は、同じように退院を認められず長期入院に苦しむ人は多いとし、「彼らの気持ちも背負っている。そういう人たちをなくしたい」と話している。
男性は16歳で福島県の家を出て、川崎市内のレストランで働いていた時に体調を崩した。その後、統合失調症と診断され、都内の精神科病院で入退院を繰り返した。20代前半で福島県内の病院に転院。それが長い「幽閉生活」の始まりだった。入院後しばらくすると、近くの養鶏場や院内の調理場で働けるようになり、症状も落ち着いた。だが、病院は退院させてくれなかった。40代になると退院する希望を失い始めた。父親の葬儀にも出席できず、孤独が深まった。
原告側は、各国が隔離政策から地域医療への転換を図る中で「日本は長期入院者を放置した」と言及。英国の専門家が1968年に「患者の多くが長期収容による無欲状態に陥っている」と日本政府に勧告したのに、その後の救済を怠ったとも訴えている。
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/244349
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