第5回口頭弁論・被告に反論
第5回口頭弁論が12月6日、午後1時30分より東京地裁・103法廷で開かれました。
前回、法律論に終始した被告の提出した準備書面に対して、反論する「原告準備書面2」を裁判所に提出し、法廷ではその要旨が長谷川弁護団長より読み上げられました。
その内容を概略すると
1 原告の入院実態を明らかにする
入手した双葉病院のカルテをもとに、入院治療の必要のない原告が繰り返し退院を求めたにも関わらず入院を強制され続けた実態を明らかにしました。
1991年のカルテには「相変わらず平穏。一生懸命炊事場作業で頑張っている。病棟内でも他患と争うこともなく、穏やか。親切に対応している。勿論、異常体験もない」と書かれています。このような原告が退院したいという希望を何度も訴えていたのに、ことごとく否定されました。その結果、原告は退院意欲を失い、任意入院を受け入れることになったのです。
2 この長期入院は個別病院の問題ではない
精神衛生法(S25年)、精神保健法(S62・1987年)、精神保健福祉法(1995年)と改正されたにも関わらず、維持され続けた制度的・法的欠陥により引き起こされたもの。
それを容認し続けた国の不作為こそが問題。
3 任意入院制度は違憲
任意入院制度は、精神衛生法が1987年精神保健法に改正されたときに導入された制度。これは患者の自由意志によって入院を希望していなくても、積極的に拒んでいなければ、同意したことになるというもの。さらに、その任意性や入院継続の必要性を審査する制度も原則として存在していません。諸外国で導入されているような司法による判断も行なわれていない。そもそもこの制度自体が憲法違反なのではないでしょうか。
任意入院という名前の強制入院がまかり通っています。
4 これらの法律を改廃しなかった国の不作為責任
以上の内容の準備書面を提出しました。次回口頭弁論では被告側の反論がなされる予定。これで本裁判の大枠での争点が明らかになり、より具体的な点についての審査になっていきます。
口頭弁論報告会に60名
裁判閉廷後、場所を弁護士会館に移して行なわれた報告会にはZOOMによる参加者を含めて約60名の方が参加しました。
法廷での様子が報告された後、傍聴できなかったZOOM参加者に向けて、準備書面2の要旨が、再び長谷川弁護団長によって読み上げられました。その後、積極的な質疑応答がなされました。
次回口頭弁論は2022年2月24日(木)11:30開廷。103号法廷
10時50分東京地裁1Fロビー集合、11時から簡単なミーティングを行ない、みんな揃って法廷に移動します。裁判終了後に報告会を行ないます。ぜひ、ご参加ください。