国連・障害者権利委員会の権利条約審査・事前質問に誠実に回答せよ
2019年10月国連・障害者権利委員会が日本政府にあてて出した、障害者権利条約の第1回日本審査にむけた事前質問の回答期限が6月に迫っています。
この事前質問事項では、精神保健福祉法で定められている措置入院、医療保護入院の撤廃が求められました。それにむけた準備内容を回答するよう求められていることもあって、「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」が厚生労働省で2021年10月から開かれています。
2022年3月16日(水)に、第7回会合が開かれ「医療保護入院の廃止・縮小」が議論されました。資料1で、検討会の今後の日程が示され、結論を急いで、急ピッチで検討会が進むことが示されました。
》資料1 Microsoft PowerPoint – (資料1)本検討会の今後のスケジュールについて (mhlw.go.jp)
医療保護入院の廃止・縮小に向けた論点整理の資料は、以下の資料2をご覧ください。
》資料2 000913259.pdf (mhlw.go.jp)
なお、全国「精神病」者集団の桐原さんからも、今回の会議に合わせて「医療保護入院の論点整理」と題する資料が提出されています。
》参考資料1 000913260.pdf (mhlw.go.jp)
新潟日報より転載
https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/40671
精神科病院の医師が家族らの同意を得て患者を強制的に入院させる「医療保護入院」について、厚生労働省は21日までに、制度の将来的な廃止も視野に入れ、縮小する方向で検討に入った。医療保護入院は精神科の入院患者の半数近くを占め、不要な長期入院が問題になっているほか、国際的に人権侵害との批判が出ている。前身の制度ができた1950年以来、厚労省が廃止を打ち出すのは初めてとみられる。
精神科病院を巡っては、虐待事件も絶えないことから、厚労省は病院職員らに虐待の自治体への通報を義務付けることも検討。有識者検討会での議論を踏まえ、早ければ年内に精神保健福祉法などの改正案を国会へ提出する方針だ。
精神科の入院制度は医療保護入院のほか、自分や他人を傷つける恐れがある人を都道府県知事らの権限で強制的に入院させる「措置入院」、本人の同意に基づく「任意入院」がある。
厚労省によると、精神科の入院患者約27万人のうち、約13万人が医療保護入院。厚労省は訪問診療など地域医療の態勢を強化することで、入院前に重症化を予防したり、退院を促進したりする考え。入院の要件を満たすかどうか、半年ごとの確認を病院に義務付ける案も出ている。
虐待については、福祉施設や雇用主には障害者虐待防止法で通報が義務付けられているが、医療機関は対象外。2020年に神戸市の精神科病院で看護師ら6人が逮捕された事件を受け、障害者団体などから病院にも通報義務を課すよう求める声が高まっていた。厚労省は同法か精神保健福祉法の改正で対応する考え。
このほか、病院から独立した立場で入院患者から話を聞き、要望や意見を医師らに伝える外部の専門家「意思表明支援者」(仮称)を創設することも検討。患者の権利を守るのが目的で、退院を請求できる仕組みなどの情報を提供する。研修を受けた精神疾患経験者や福祉職、弁護士ら多様な担い手を想定している。