障害者総合支援法等改正案???

12月10日、精神保健福祉法の改正を含む、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案」が参議院でも可決し、成立しました。障害者関連法案を束ねて、一括で審議するやり方に多くの政党・団体が、懸念や反対を表明していたわけですが、結局、政府に押し切られる形になりました。
障害者総合支援法・精神保健福祉法・障害者雇用促進法・難病法・児童福祉法の改正をまとめているため、全体像が非常にわかりにくくなっています。インターネットで検索しようとすると「総合支援法改正案・わかりやすく」などの検索ワードが並びます。

厚生労働省のサイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/208_00002.html)ではたくさんのPDFのタイトルが羅列されているだけでさっぱり容量をえません。各新聞の社説でもごく簡単に触れているだけです。

ざっくりとわかりやすく、何が問題なのか解説しているサイトを探していたところ、れいわ新選組のサイトが比較的わかりやすかったので、紹介します。

以下に引用します。(文責:MAN)

【声明】障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案に反対する理由(れいわ新選組 2022年11月21日)

投稿日:

れいわ新選組は、本日の衆議院本会議で賛成多数で可決された
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案」に反対しました。

反対する一つ目の理由。
今回の提出法案は、
障害者の命と暮らしにかかわる5つの法律の改正
(障害者総合支援法・精神保健福祉法・障害者雇用促進法・難病法・児童福祉法)を一つの法案として束ねて、一度に審議しようとしていることです。

どうしても改正が必要だというならば、
一つひとつの改正案を別々に審議しなければなりません。

今回の改正には当事者にとって、
大きな不利益にも繋がる内容が含まれています。
それを短時間の審議で終わらせることができるよう
束ね法案として処理することはあまりにも乱暴すぎます。

特に、人権の制約に直接かかわる精神保健福祉法の改正内容は、他の4本の改正法案との関連性が低いものです。重要な論点を隠して法案を通そうとする政府の意図が伺えます。

また以下に挙げるように、各法案に障害者の生活や人権を制約する懸念があります。衆議院での審議を経ても、これらの懸念は解消されていません。
1. 精神保健福祉法の一部改正では、従来の「連絡のとれる家族がいない場合」に加え、「家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合」にも、市町村長の同意により医療保護入院(本人の同意なしの入院)を行えるようになりました。つまり、医療保護入院という強制入院の範囲を広げる提案であり、強制入院の件数が増えかねません。「障害者の強制入院による自由の剥奪を認めるすべての法的規定を廃止すること」という国連からの勧告の真逆を向いた改正です。
2. 障害者雇用促進法の一部改正では、週10時間以上20時間未満の短時間で働く人も雇用率算定に入れることで、障害者の雇用機会が広がる一面はあります。一方で、短時間労働の障害者を法定雇用率の表面的な達成のために利用するなどの懸念は拭えません。
3. 障害者総合支援法の一部改正では、障害者等の地域生活の支援体制の充実として、グループホームにおける一人暮らしへの移行支援が追加されています。障害当事者にとっての生活の場が、一人暮らしに移行するための訓練の場となることが懸念されます。そもそも地域で一人暮らしがしたくても、深刻な人手不足で介助者を見つけるのは困難を極め、働きたいと思っても、福祉サービスを利用して介助者をつけることができません。まずは障害者が地域で暮らすための支援こそ、強化するべきです。
4. 難病法の一部改正や小児慢性特定疾病児童等にかかわる児童福祉法の一部改正は、評価できる点がある一方、医療費助成の対象にならないなど制度の谷間にいる難病患者が抱える課題についての対応はなされず、根本的な問題解決がなされないままになっています。

わが国においては、2003年に支援費制度が始まり、障害者自立支援法、障害者総合支援法と目まぐるしく変遷するたびに、障害当事者は、制度の変遷に振り回され、その度に一から生活を立て直し、やっとの想いで命をつないできました。今回の法改正では、束ね法案とするのではなく、一つ一つの法案に時間をかけて丁寧に審議することが不可欠だったはずです。

法案に反対する二つ目の理由。
国連・障害者権利委員会からの勧告を無視しています。
日本は2014年に、障害者権利条約を批准。
国連は、この条約の規定に基づいて、日本政府の障害者政策が条約に沿っているか審査しますが、今年9月に国連から勧告が出されました。
勧告の内容は、日本の障害者政策全般に強い懸念を示し、障害当事者が抱える問題の根本的な解決に向けた、立法措置や法改正の必要性も説いています。
しかし今回の束ね法案は、
国連勧告の実現に向けた道筋さえも示していないどころか、
勧告と真逆を向いた改正内容まで含まれています。

一方で、国連は2028年2月20日までに勧告を受けた改善の経過を報告するよう、日本政府に求めています。
しかし、今回の束ね法案の附則2条では、法案の次期改正に向けた検討と必要な措置の実施を施行後5年、つまり2029年を目途に行うと明記されています。

政府が国連勧告を真摯に受け止めるなら、2028年までに立法措置や法改正が確実に行えるよう、施行後検討までの期間をもっと短くしたり、見直しの計画を示す必要があるはずです。

国連勧告を軽視、無視した法改正だと言わざるを得ません。
このような人権無視、国際社会との約束や勧告までも嘲笑するような態度の法案の改正には賛成できる余地はありません。

何より、これまで障害当事者の国会議員が少ない中で、
障害者の実態が、法律や制度の審議に組み入れられることなく置き去りにされてきた歴史があります。
今回の法改正に対しては、様々な当事者団体から懸念の声が上がっていました。障害当事者議員を擁するれいわ新選組にとって、当事者の声を無視し、束ね法案として国会で審議入りしたこと自体、看過できません。

れいわ新選組としては、障害者の人権保障のための徹底した監視を続けるとともに、障害者や難病患者、高齢者などだれもが安心して暮らせる日本社会の実現に向けて、引き続き取り組んでまいります。

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