第12回口頭弁論報告会に74名参加
第12回口頭弁論が7月25日15時30分より開廷しました。今回の裁判では、前回、前々回に引き続いて、原告側から専門家などの意見書を提出しました。今回で提出し終わりました。これまでに、
●精神科医6名、福祉関係者3名、憲法学者1名による意見書
●国賠研会員が集めた証言
●韓国の裁判例
●国連拷問禁止委員会からの勧告
●大阪精神保健福祉審議会(平成11年)、精神神経学会などの意見書
●原告の陳述書
を提出しました。今回はこれらを要約する形で準備書面も提出しました。
これらの内容は以下に大別することができます。
1 医療保護入院制度は隔離収容目的であり違憲
・日本における精神障害者の入院は、歴史的経緯から社会防衛機能が重視されてきた
・入退院が医療の提供と無関係の事情により決定されている
2 医療保護入院制度が人権制約の「手段」としても許容されるものではない
・司法審査が欠如している
・より制約が少ない他の手段がとりえないこと等の規定がなされていない
3 精神科特例の違憲性について
・そもそも精神科においては、一般医療以上に医療従事者が必要
4 地域医療中心の政策への転換義務違反について
・クラーク勧告やルコントレポートで「社会復帰施設整備義務」が明記され、国には社会復帰施設整備義務があるにもかかわらず整備を怠った
5 精神科病院に対する指導監督義務違反について
・ともすると、利益を優先するために入院を長期化させようとする民間病院が主流の日本の精神医療制度では、適切な医療提供・入院期間の指導監督が不可欠
6 入院治療の必要のない人に対する救済義務違反
・入院する必要がない人が入院を強いられることなるという実態があるにもかかわらず、救済措置を講じなかった
7 任意入院の違憲性
・患者本人の任意性が担保されず、強制入院制度との区別もあいまい
・事実上の強制入院として機能
8 因果関係
これらについて、報告会では長谷川弁護団長より説明を受けました。
次回口頭弁論では、被告の反論が提出される見込み。
第13回口頭弁論
10月24日(火)16:00 東京地裁103法廷