精神国賠研会員が直接携わった図書を紹介します。

精神病棟40年 (宝島SUGOI文庫)
時東 一郎:著
織田 淳太郎:解説
精神病棟に暮らす時東一郎さん、60歳。16歳のときに統合失調症を発症して以来、入退院を繰り返しながら実に40年以上もの歳月を、病院の厳重な管理のもとで暮らすことになりました。「電気ショック」の懲罰、一瞬にして患者を無気力にさせる劇薬投与、牢名主の患者と女性看護師との院内SEX……本書は、時東さん自身が見て体験した無縁社会の「現実」を、赤裸々に綴った衝撃の手記です。
出版社 : 宝島社 (2013/4/4)
発売日 : 2013/4/4
言語 : 日本語
文庫 : 238ページ
ISBN-10 : 4800209188
ISBN-13 : 978-4800209184
¥1350
※著者『時東一郎』は原告・伊藤さんのペンネーム

精神医療 第3号 (特集 精神医療国家賠償請求訴訟)
古屋龍太 (編集), 中島直 (編集)
第5次「精神医療」編集委員会 (編集)
[巻頭言]訴訟が問う国家の不作為
[座談会]訴訟の位置と意義
伊藤時男/織田淳太郎/野村忠良/東谷幸政
古屋龍太[司会]
出版社 : (有)エム・シー・ミューズ (2021/10/20)
発売日 : 2021/10/20
言語 : 日本語
雑誌 : 128ページ
ISBN-10 : 4904110269
ISBN-13 : 978-4904110263
¥1840

かごの鳥
奪われた40年の人生を懸けた精神医療国家賠償請求訴訟
伊藤時男:著
古屋龍太:編
本書には時男さんの人生がぎっしりと詰まっており,それとリンクして日本の精神医療の構造的問題が鮮やかに浮かび上がります。
読みやすいインタビューが中心ですが,原告・代理人の意見陳述や訴状など,貴重な裁判記録も収録されています。
時男さんが入院中から創作された川柳や絵画が数多く掲載されているのも魅力のひとつです。
出版社:やどかり出版
発売日:2023/12/18
言語:日本語
四六判:130ページ
¥1200+税

精神医療改革事典
高岡健 (監修), 岡崎伸郎 (監修), 古屋龍太 (監修), 第4次「精神医療」編集委員会 (編集)
精神医療改革運動に関わってきた精神科医・看護師・PSW、当事者や福祉関係者による精神医療改革に特化した事典。
精神医療改革の実際を担ってきた多くの精神医療従事者が、日常の実践をとおして、果てしない空白の病棟列島に挑戦する。
出版社 : 批評社
(2023/11/10)
発売日 : 2023/11/10
言語 : 日本語
雑誌 : 224ページ
ISBN-10 : 4826507437
ISBN-13 : 978-4826507431
¥2200

精神医療 第8号「にも包括」って何なん?
平成29年2月の「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」報告書では、精神障害者が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」(にも包括)の構築を目指すことを明確にした。
にも包括はわが国の精神保健・医療・福祉の中心的なテーマであり、国が目指す地域共生社会を作り上げるための最も重要な道具の一つであることは間違いない。それにも関わらず多くの精神科医療関係者が未だに「『にも包括』って何なん?」という基本的な疑問から脱しきれていないのが実態ではないか。
出版社:(有)エム・シー・ミューズ (2023/1/20)
発売日:2023/1/20
単行本:128ページ
ISBN-10:4904110315
ISBN-13:978-4904110317
¥1870

精神科病院と地域支援者をつなぐみんなの退院促進プログラム:実施マニュアル&戦略ガイドライン
古屋龍太, 大島 巌
長期にわたり精神科病院に入院している人々が,退院して地域で生活できるようにするために必要な手立てを,プログラム評価理論の観点からわかりやすくまとめた,一線で取り組む実践者たちの知恵の集積。
支援者がどのような取り組みをすればよいのかがわかる「実施マニュアル」と,病院と地域と行政が支援ネットワークを形成して連携・協働していくための,圏域の特性にそった「戦略ガイドライン」で,みんなで明日から取り組める。
出版社:ミネルヴァ書房 (2021/1/19)
発売日:2021/1/19
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):176ページ
ISBN-10:4623089541
ISBN-13:978-4623089543

精神医療97号: 医療保護入院――制度の廃止に向けて
古屋龍太, 太田順一郎
『精神医療』編集委員会 (編集)
◆措置入院(94号=特集)・医療観察法(96号=特集)、そして医療保護入院制度(強制入院)が長期入院患者を遷延化し退院・地域移行を困難にしている。なかでも医療保護入院は、2013年度の精神保健福祉法改正により、保護者制度の廃止とともに、退院後生活環境相談員を配置し、退院支援委員会を設けることなど地域移行支援が病院長に義務付けられた。しかし、近年では入院患者の約半数が医療保護入院となり、諸外国に比しても突出して強制入院が多い日本の恣意的で曖昧な制度活用は、社会防衛のために患者を隔離収容する精神科病院大国・人権後進国ニッポンの象徴的制度となっている。
日本の精神医療改革の大きな足枷になっている医療保護入院制度の問題点を指摘し、制度廃止の可能性を検証する。
出版社:批評社 (2020/1/10)
発売日:2020/1/10
言語:日本語
単行本:136ページ
ISBN-10:4826507100
ISBN-13:978-4826507103

悲しむことは生きること──原発事故とPTSD
蟻塚亮二
福島の巨大なトラウマに向き合う精神科医の診療ノートより。
原発被災者の精神的な苦悩は、戦争被害に匹敵する。故郷を失い、未来を奪われて「難民」化する避難者たち、今なお喪失の時間に囚われて生きる被災者たち──。原発事故直後から現地の診療所で診察を続ける著者が発見した、被災地を覆う巨大なトラウマの存在。
出版社 : 風媒社 (2023/9/6)
発売日 : 2023/9/6
言語 : 日本語
単行本 : 328ページ
ISBN-10 : 4833111535
ISBN-13 : 978-4833111539