控訴審第1回口頭弁論で意見陳述
誰が、好き好んで、このような精神病院での生活を選ぶでしょう。
東京地方裁判所の裁判官は……精神障害のある人は、病院で暮らすのが当たり前だと言われているようで、とてもショックでした。
2025年2月3日、東京高等裁判所101法廷に、原告伊藤時男さんの声が響いた。この日、控訴審第1回口頭弁論が開かれ、伊藤さんと長谷川弁護団長による意見陳述が行なわれた。
伊藤さんは、「東京地方裁判所の裁判官は、私が40年入院したのは病気や家族のせいだから仕方がないと言いました。また、私自身が入院を選択していたから長期入院も仕方がないとも言いました。精神障害のある人は、病院で暮らすのが当たり前だと言われているようで、とてもショックでした」と第1審東京地裁判決が偏見に基づいて書かれたものであることを指摘、反駁する陳述を自らの言葉で堂々と行なった。
長谷川弁護団長は、東京地裁判決が精神障害者への偏見が根底にあると指摘、さらに法的問題点を明らかにして、1審判決の破棄を求めた。
具体的には
・伊藤さんが強制入院を受けていたこと
→1審判決が伊藤さんの入院形態は不明と断じたことに対し、それが誤りであること。
・長期入院の要因
→1審判決は長期入院の原因を、原告の症状、家族、自らの意思によるものとしたが、この判断は精神障害者への偏見に基づいていること。
・国の責任
→そもそも精神衛生法制定時から精神障害者を収容することが日本の精神医療政策の根幹にあること。
以上の3点に絞って陳述を行なった。被告からの陳述はなかった。なお、傍聴者は70名あまりであった。
裁判終了後、日比谷図書館・コンベンションホールに移動して報告会、伊藤さんを囲んでの食事会を行なった。
次回口頭弁論では、1審判決が病院の裁量を不当に増やすものであることを明らかにする。
次回口頭弁論は
4月23日(水)101法廷、11時開廷
(MAN太)

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