精神医療97号: 医療保護入院――制度の廃止に向けて

古屋龍太, 太田順一郎
『精神医療』編集委員会 (編集)

◆措置入院(94号=特集)・医療観察法(96号=特集)、そして医療保護入院制度(強制入院)が長期入院患者を遷延化し退院・地域移行を困難にしている。なかでも医療保護入院は、2013年度の精神保健福祉法改正により、保護者制度の廃止とともに、退院後生活環境相談員を配置し、退院支援委員会を設けることなど地域移行支援が病院長に義務付けられた。しかし、近年では入院患者の約半数が医療保護入院となり、諸外国に比しても突出して強制入院が多い日本の恣意的で曖昧な制度活用は、社会防衛のために患者を隔離収容する精神科病院大国・人権後進国ニッポンの象徴的制度となっている。
日本の精神医療改革の大きな足枷になっている医療保護入院制度の問題点を指摘し、制度廃止の可能性を検証する。

出版社:批評社 (2020/1/10)
発売日:2020/1/10
言語:日本語
単行本:136ページ
ISBN-10:4826507100
ISBN-13:978-4826507103