『かごの鳥』伊藤さんの新著が発売されました

原告・伊藤時男さんの新著がやどかり出版から発売されました。
約40年におよぶ精神科病院での社会的入院を経験され、福島第一原発事故での避難を契機に退院の後、精神医療の抜本的な改革を求めて国家賠償請求訴訟の原告として立たれています。
 本書には時男さんの人生がぎっしりと詰まっており、それとリンクして日本の精神医療の構造的問題が鮮やかに浮かび上がります。
 読みやすいインタビューが中心ですが、原告・代理人の意見陳述や訴状など,貴重な裁判記録も収録されています。
 時男さんが入院中から創作された川柳や絵画が数多く掲載されているのも魅力のひとつです。

伊藤時男:著
古屋龍太:編

寄稿

織田淳太郎(ノンフィクション作家)
門屋充郎(NPO法人十勝障がい者支援センター理事長)
杉山恵理子(明治学院大学教授/精神国賠研相談役)
長谷川敬祐(西東京きらり法律事務所/精神国賠請求訴訟弁護団)
藤井克徳(NPO法人日本障害者協議会代表)
東谷幸政(プロジェクツけやきのもり代表/精神国賠研副代表)

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出版社:やどかり出版
発売日:2023/12/18
言語:日本語
四六判:130ページ
¥1200+税(¥1320)

■ 目 次 ■

ふれあい(伊藤時男 川柳作品)

第Ⅰ部 精神医療国賠請求訴訟を提訴
 精神医療国家賠償請求訴訟 原告の意見陳述
 精神医療国家賠償請求訴訟 代理人意見陳述

第Ⅱ部 かごの鳥――伊藤時男さんインタビュー
 第1章 生い立ちと家族
  実母と継母/父のこと、弟のこと/発病と妄想
 第2章 東京の精神病院で
  入院先からの脱走/てんこ盛りの薬/病院の急拡大
 第3章 福島の精神病院へ
  福島に転院/院外作業に従事/退院させてくれない病院/働かないと退院できない
  コラム 「外勤療法」の不思議:古屋龍太
 第4章 社会的入院患者たち
  亡くなった患者たち/長期入院の罪
  コラム マッちゃんのイメージ:伊藤時男
 第5章 東日本大震災・福島第一原発事故からの避難
  原発事故から避難先へ/退院してグループホームへ/グループホームを出る
 第6章 ひとり暮らしの日々
  ピアサポーターとしての今/ひとり暮らしの日常/街の仲間たち
 第7章 精神医療国家賠償請求訴訟へ
  精神国賠を提訴して/裁判の行方/読者へのメッセージ/専門職の人に伝えたいこと/人生を変えた人との出会い

第Ⅲ部「かごの鳥」に寄せて
 時男さんがいまも怯える長期入院の影:織田淳太郎
 伊藤時男さんの国賠訴訟決意に刺激を受けて:門屋充郎
 一万五千日の絶望を超えて:杉山恵理子
 伊藤さんを原告とする精神国賠裁判の概要:長谷川敬祐
 歴史に恥じない判決を:藤井克徳
 精神国賠研と時男さんとの出会い:東谷幸政

第Ⅳ部 資 料
 伊藤時男さん 年表
 記者会見資料
 訴  状

あとがき:古屋龍太
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